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栃木市にて第5回地域在宅食支援ミーティング開催

日本在宅ケアアライアンス(JHHCA)が栃木市の医療・介護関係者と協働し実施している「地域在宅食支援ミーティング」の第5回ならびに研修会が5月15日、栃木市保健福祉センターにて開催されました。

 

今回は、JHHCAの提唱する在宅における食支援の考え方を共有するとともに、在宅ケアの中で行われている訪問栄養指導の実際について、医師の太田秀樹先生(日本在宅ケアアライアンス理事長補佐)、管理栄養士の岩本佳代子氏(医療法人・アスムス事務長)が講演しました。

 

太田理事長補佐からは、「今、なぜ、食支援なのか~地域での実践を目指して~」と題し、人口構造の変化の中で、医療の目指す姿が従来の「治す」から「支える」へ、そして「データ中心」から「QOL」へと、必然的に変化していること、そして食べることに伴う誤嚥性肺炎等のリスクと、本人の食べたいという欲求の間にあるジレンマを乗り越えるためには、関係者が十分に話し合う対話の重要性についてお話ししました。

 

次に、岩本氏から「食支援の考え方と実際」と題する講演があり、高齢者の生きがいが「食」であること、そして訪問栄養指導を通してQOLが向上した4つの症例を通して、在宅ケアにおける食支援の重要性を訴えました。

 

一方で、住民から見ると訪問してくれる管理栄養士がどこにいるかわからないこと、また、専門職の他職種からは、管理栄養士と連携したいが、現実には連携が十分でないこと、さらに、介護保険の居宅療養管理指導の算定が伸び悩んでいるという実態も報告され、今後の体制づくりの必要性が述べられました。

今回の研修会では、地域における食支援の取り組みの大切さが事例を通して認識されるとともに、課題も報告され、本事業の意義を参加者全員で共有できました。

また、医師やケアマネジャーも参加し、今後、地域実装がさらに推進される可能性が示唆されました。