JHHCA正会員(22団体)に所属する多職種の皆様にインタビュー。
医療・介護の現場での取り組みなど各団体・各職種の皆様の活動をご紹介します。
2010年の開業以来、家庭医療をテーマに、赤ちゃんから高齢者まで家族全員を診る医療を展開しています。今では3世代を診ているご家族が100 〜150世帯、4世代も15世帯ほどとなり、地域の方から親しみを込めて“たまふぁみ”と呼ばれています。
かかりつけ医の議論が高まり、プライマリケアへの理解は次第に深まっているものの、まだまだ啓発が必要で、私たちの仕事をしっかりアピールする必要があります。そのためには、現場で一生懸命活動し、得られた知識や技術を共有し、学会として発信していくことが重要と思います。
そして総合診療・家庭医療・在宅医療に興味を持つ若い医師は増えているのに、これらを教える仕組みが整っていません。かかりつけ医を志す若者たちがなりたい医師像を目指していけるよう、私たちが日々の活動を見せていくことも大事と考え、研修医の受け入れなども行っています。
もともと在宅医療に興味があり、高知県の山間部での経験から、在宅医療を軸にした開業をしようと考えていました。2012年、下川広治医師とともに診療所を開設し、週3回の外来診療と24時間365日の途切れのない在宅医療に取り組んでいます。
患者さんに合わせて、地域の専門職と連携してチームをつくり、500人前後の在宅患者さんをサポートし、年間200人近くのお看取りをさせていただいています。
医療法人潮かぜ会の方針は「どんな方でも受け入れる」。困難事例であっても、断らず、できるだけ寄り添います。ひとつ一つの「いのち」を守るためには、地域で働く、訪問看護師さんやケアマネジャーさん、民生委員さんなど、お一人ひとりとの信頼関係が不可欠です。その信頼が患者さんのニーズに応じたチームを作る力になり、どんな困難も一緒に知恵を絞って乗り越えていける希望を生みます。今後、もっと個々人の顔の見える地域力を高めていきたいと思います。
いくつかの薬局勤務を経て2021年、外来調剤と在宅医療に特化した薬局を開業しました。「自宅で過ごしたい」という患者さんの思いに応えるために在宅医療が必要で、質の高い在宅医療を提供するためには、薬学の基本を忠実に実践することが大事です。
そして、終末期に向き合ってこそ在宅医療だと思っています。薬剤師として外来対応の仕事ばかりしていると、人の死を目の当たりにすることがありません。しかし在宅では、人は必ず死ぬという事実を突きつけられます。すると「今」をおろそかにできなくなるのです。人がどのように亡くなっていくかを体験として知ることは、終末期以前の在宅医療にどう関わるかのヒントにもなります。
従来から活動の主軸に置いている“患者さんの満足”を、理念を同じくする仲間とともに追求していきたいと思っています。